第32章 大変なことになりました 伏見弓弦
「ッ弓弦!!」
部屋に戻ると、衣更がよくぞ無事でと言わんばかりにガッシリ手を握ってきた。
「弓弦ちゃん、まさか何にもしてないでしょうね……」
「…………正直、危ないところではありました」
伏見は苦笑する。
そんな彼をゲラゲラと真冬が笑う。
「理性ぶっ飛ばしたかと思ったけんが、案外強くてびっくりたい!」
「お黙りください、そもそもあなたがですね……」
「…………儂は、何もしとらん」
「手を握ったのに?」
「凛月、そりゃ禁句……」
「フフフ………枕投げ第二ラウンド行きますか?」
「おおっ!良いねフッシー!」
「たまには羽目を外すのも良いだろう。」
「よーし!僕もやっちゃおう!!」
どうやら、男子はまだまだ寝ないようだ。
再び教師に怒られるまで、枕投げは続いた。