第28章 演劇部には近づかない方が良いかもしれない 真白友也
「大丈夫かあんず!!」
「変態仮面め!あんずさんに何をした!?」
二人ともあっという間に日々樹さんを責め立てる。
違う。その人は悪いけど色々違う。
責めることもない。
「何をした、ですか………とうてい言えませんね!!」
…………あんたは何を言ってるんだ。
ほら見ろ、二人がすごく顔をしてるよ……。
「よ、よくも………よくも……!」
真白くんが怒りのあまりワナワナ震えている。
ていうか何これ。何したら良いの。私はどうしたら正解なの。
「………あのー」
「ふはははは!!」
「待て変態仮面!今日という今日こそはッ!!」
「友也、回りこめ!」
誰一人として聴いちゃあいない。
「あの!!!」
頑張って今日一番の声を出す。やっと届いたらしく、三人ともピッタリ止まった。
「…………意地悪はやめてください、日々樹さん。あなたは何もしてないし私は何もされてません。」
「おやおや、ノリが悪いですね~?これからもっと面白くなるところだったのに…」
いい加減殴ってやろうか。年上とかアイドルとかもう関係ないよ。
「だ、騙したな~ッ!!!!!!」
一番激怒したのは真白くんだ。見慣れた光景だからか、氷鷹くんは冷静だけど。
結局、真白くんと私の秘密はバレてしまったけども。
何だかんだで写真撮影も楽しかったし、これはこれで良しとしようか?
でも、私はきっと……
もう二度と演劇部には遊びに来ないだろう。