第27章 夢の話し 朔間兄弟 _女の子の日注意あり_
「うむ、プールは楽しいのう!!」
「…………見た目と台詞が反比例ですよ…」
ビーチパラソルの下でぐったりとしている零さんをうちわで扇ぐ。
ANDEADの皆だけでプールに行くことになっていたのに、羽風先輩があんずちゃんが来ないと面白くないとかなんとかほざいた……コホン、おっしゃったので同行したのだ。
しかし何と不運な。
当日に女の子の日になりました。
羽風先輩と乙狩くんには一応言っておいた。あの二人はお姉さんがいるし、理解が早かった。
しかし!この吸血鬼とあのわんこ……コホンコホン、狼くんには…………あまり言いたくない。
「嬢ちゃんは水着を着ておらんが、泳がないのかえ?」
「…カナヅチなんです。」
こんなことなら行きたくなかったのに、羽風先輩がいるだけで良いとかほざいた…ウオッホン、おっしゃったのでやはり同行することに。
「うむ、しかし楽しそうなあの三人を見ていると若返ってしまいそうじゃ!!」
「だから反比例してますよ…」
そんな私達の耳に……
「ちょ、スーちゃんはしゃぎすぎ……俺もう動けないんだけどぉ…」
「まだです凛月先輩!!watersliderというものに乗ってみたいのです!!」
司くんと凛月くんの声が聞こえてきた。
「零さん、凛月くんですよ………ってあれ?」
いつの間にか零さんがいない。キョロキョロしていると遠くからザッパーン!と水しぶきが上がる音がしたので、その方向を見ると…
「凛月ぅ~!凛月もプールに来ておったのか!嬉しいぞい!!」
「うっげ!何でここにいるの~!ってゆーか、あんた誰」
「no~!!!!凛月先輩!!凛月先輩をお離しください!!私達はwatersliderに行くのです!!!」
その様子にギャラリーができてしまっているので、私はいてもたってもいられず三人の元へ駆け寄った。