第4章 全力放置 朔間凛月
「凛月を無視してくれ!」
…珍しくお昼ご飯に誘ってきた真緒くんと嵐ちゃん。
意味が、わかりません。
「ごめんサッパリわかんないや…」
「実はね……最近凛月ちゃんが授業や部活、アイドル活動に参加してなくて…。原因を探ってみたら、毎日毎日茜ちゃんとお喋りしたり茜ちゃんを抱き枕にしてたりで…」
「このままじゃ停学か留年…最悪、退学だ。何とかしなくちゃいけねぇと思って…まずは凛月に茜離れをさせようってことになったんだ。」
なるほど、と納得。最近よく抱き枕にされる度に私の授業欠席も目立つようになってきたので少し困っていたところだ。異論はない。
「いいよ。逆に助かるかも。私も凛月くんを甘やかしすぎかなって思ってたの。」
「なら良かったわ~。ということで、極力凛月ちゃんを避けてちょうだいね。」
あっさりと話は終わり、三人で教室に戻ろうとしたら…。
「あ…あれ凛月くんじゃない?」
珍しく人がたくさんいる食堂をウロウロする凛月くんがいた。それを見て真緒くんがギョッとして私の手を取り走り出した。
「え、待って急に走らないで!」
「静かに!絶対あれは茜ちゃんを探しているわ!」
「丁度昼飯食べ終わる頃だし、眠くなって茜に抱き枕になってもらおうって思って食堂まで探しに来たんだろうな…。ていうかわざわざ探しに来るとか重症だな…」
その後は凛月くんに見つからず、何とかやり過ごせたが…昼休みのあとの休み時間、凛月くんが私の教室に入ってきたのだ。
ってちょっと待ってそんなこと聞いてないーっ!?
嵐ちゃんがおいでおいでと手招きしているのが教室の外で見えた。真緒くんが凛月くんを止めに教室に入ってきた。
「あ!嵐ちゃーん!」
大げさに反応して教室の外にいる嵐ちゃんの元へ駆け寄る
「ど、どどうしようどうしよう!?」
「落ち着いて…って、こっちに来ちゃったわ!」
嵐ちゃんがそう言うので教室を除けば…
「ま、待てって凛月!」
「うるさい、邪魔しないでよまーくん」
真緒くんの制止も聞かずこちらへ向かってくる。
「目を合わせちゃ駄目!」
「わかってるけど…う、後ろから凛月くんの圧力が半端ないんだけど…!」
しかし、運良く鳴り響いたチャイムにより何とかやり過ごせた。
しかし、本当の戦いはここからだった