第21章 大正歌劇に迷い込む 守沢千秋
それは_____
今思いだしてもとっても不思議な体験でした
「………ぃ、おい…おい!!」
「…………?」
目を覚ますと、見慣れた顔が見えた。鬼龍さんだ。
鬼龍さんは……見覚えのない軍服を着ていた。
あれ?コスプレかな?
「あ!目が覚めたっすね!?大丈夫っすか、姉御?」
「南雲くん…?」
彼も、鬼龍さんと同じ軍隊を着ていた。
「もう!倒れたって聞いたからビックリして…!もう何ともないんすか!?」
「…………倒れた?」
いやいや、今日はOffだから家でゆっくり寝てたんだけど…………?
「2人とも、そんな服着てどうしたの?」
「またまた~!俺らは警察なんすから制服着るのは当たり前じゃないっすか!ね、大将?」
…………警察?
「あれ?劇か何かやるの?アイドルやめて警察目指すの?」
「何言ってんだ嬢ちゃん。それに……あいどるってなんだ?」
「いやまたまた~。」
何だ、これは夢か。そうでなければ説明がつかない。
それにしても…不思議な夢もあったもんだ。
「…………姉御、自分の名前わかるっすか?」
「あんず」
「年は?」
「17ですよ?知ってるでしょう?」
安心させようと思ってハッキリそう言ったのだが、どうやらまずかったらしい。
2人ともダダダダと慌ててどこかへ走り去ってしまった。
いや、それにしてもリアルな夢だ。
ここはどこかの庭…?なのだろうか。すぐ側に大きな建物がある。赤レンガ造りの可愛いレトロな建物だ。
よくよく自分の恰好を見れば、薄桃の無地の袴を着ていた。
自分の夢に感心していると、ガシッと誰かに肩を掴まれた。
力がすごく強い。いや痛いんですけど……?
………痛い?
夢の中で?