第14章 オオカミ彼氏 大神晃牙
「……お前、今日…聞いてきただろ、あの…」
帰り道で言いにくそうにそう話してきた晃牙くん。
…今日聞いたこと?あぁ、なるほど。あれか。
「二度と傷つけるわけにはいかないって、言ってたけどそんなことなかったよね?って聞いたこと?」
「あぁ……。その、龍王戦の………………」
彼の言いたいことがぼんやりと分かってきた。あぁ、なるほど。あの時のことか。
「…今でも本当に悪かったって思ってんだよ。もうあんなことはしねーから。
あと、今日みてーなことがあったらすぐ俺様に言えよ!!お前、色々隠してたろ。ただのナンパかと思ってたぜ。」
「あはは、ごめんね。ありがとう。」
「………ふん」
晃牙くんは黙ってしまった。
沈黙が続いているが、決して気まずくはない。何だか心地よい沈黙。
ハロウィンパーティーが終わり、どこかホッとしているからか……何なのか。
そんな心地よい雰囲気に浸りながら、私達は帰っていった。
それじゃあ晃牙くん、また、明日ね。