第12章 私達 蓮巳敬人
生徒会からこれでもかってくらい仕事が来て、私が担当するユニットの相手は絶対生徒会になって負けてしまったりと…踏んだり蹴ったり。
皆は私が原因だと気づいたらしく近寄ってこなくなった。
近寄ってくる変わり者と言えば、この子達か。
「あんず、ご飯食べよう!」
「僕、今日は食堂でハンバーグ!!」
「なら俺は焼き魚定食だな。」
3人は前と変わらない。でもそれが逆に辛い。引き離すならとことん引き離して欲しい。この3人もどっかじゃわかってるはずだ。
それでも気にしない当たり、さすがは革命児である。
「あんずは?何食べるの?」
食堂に行く途中にスバルくんが聞いてきた。そうだな……
「私もハンバーグ」
tricksterの3人と仲良く食堂へ向かうあんずの姿を、生徒会室から蓮巳は眺めていた。
「__敬人」
ふいに、幼なじみの声が聞こえて我に返った。
「何だ?」
「…やはり、苦しいのかい?」
「何が言いたい」
天祥院は笑う。憎々しいほど綺麗な顔で。
「僕はね__少し気に入らない。」
あんずの姿はもう見えないのに、窓の外を天祥院は眺め続ける。
「あんずちゃん__彼女は、僕に笑いかけたことがない。それが気に入らない。」
「_英智?」
蓮巳はこの幼なじみが何を言い出すのか不安だった。駄目だ、それ以上言わないでくれ__
「でも敬人、君には_たくさん笑いかけている。それが羨ましい。
あぁ、初めてのことだよ、こんなこと。」
蓮巳は目をつむった。次に聞こえてくる言葉が分かったから。
「僕はね__彼女が好き、なんだ。」