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恋愛っていいことなの?

第15章 初恋の人はいい人?


美琴side

なんでけいくんが家に来たのかを訊こうと

思っていたら、お母さんが来て

「けいくんね、美琴の学校の数学教師に

なるらしいわよ」

「だから、美琴に挨拶に来てくれたのよ!」

と説明してくれたが、疑問に思って私は

「でも けいくんって研究者じゃなかった?」

「なんで、辞めちゃったの?」と質問した。

すると、けいくんは言いにくそうに

「研究所が経営不振で閉鎖になるんだ」

「それに、親戚のおじちゃんがやってる

学校が大変なら助けたいし!」とけいちゃん

に言われて意味が分からなかった。

え、親戚のおじちゃんがやってる学校?

じゃあ、理事長さんは私の親戚なの?

私が尋ねるようにお母さんの顔を見ると、

「あら、言わなかったかしら?」

「あ、でもコネで貴方が入ったわけじゃない

わよ」

「貴方の誰にでも手をさしのべるところを

認めてもらった結果よ!」

「でも、親戚だと分かると周りがいい顔を

しないだろうって、気を使ってくれたみた

いよ」と軽く言われて、私の頭の中は

ぐっちゃぐっちゃになった。

そして、その様子を見ていたけいくんは

「ごめん、知らなかったんだな」

「月曜日からよろしくな!」

「俺、教員免許はあるけど教えるのは、初めて

だからいろいろ教えてくれよ!」

と言って笑って帰っていった。

挨拶をしないとだけど、私はそれどころでは

なかった。

私はどれだけ理事長さんにお世話になってた

んだろう。

そう思うと本当に申し訳無なさすぎるので

「なんで、お母さん 教えてくれなかった

の?」と言うと

「お母さんは、理事長さんに言わないでって

言われてたからね」

「そんなに気になるなら、貴方が月曜日に

ちゃんと理事長さんに訊きなさい」

「この話は終わり、貴方 ご飯食べて帰る

の?」と訊かれたので、食べて帰らないこと

にした。

今日はいろいろありすぎて疲れたら、ちょっと

落ち着いて考えたい。

とりあえず、自分の家に帰ってなにもせずに

ぼーとしていたら、チャイムが鳴った。

ドアを開けると優輝がいた。

なんで優輝は私がピンチの時にちゃんと来て

くれるんだろう?
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