第12章 一難去ってまた一難
美琴side
涼介が臨時教員になって数日が経った。
すると、女性教員たちが涼介にいろいろと
アピールをしている。
例えば、高い所の段ボールを指して、
「すみません、坂口さん 高い所にあって
取れそうにないのであの段ボールを取って
もらえませんか?」とか言っていろいろな
ことを頼んで、さりげなく触ったり。そして、
「坂口さんの歓迎会してなかったですよね?」
「みんなで今日しませんか?」
と言って歓迎会を企画し始めた。
「俺はそういうの大丈夫ですよ」と苦笑い
で涼介は断っているが、女性教員たちは私を
見て、「七瀬さんも参加しますよね?」と
有無を言わせない感じで訊いてくる。
「はぁ、もう嫌だな」と思いながら
答えようとすると、涼介は
「美琴、今日は優輝と俺で飲む予定だったよ
な」とどうにか逃げようとする。
「なんで私に振るのよ (>_<) 」
「余計私の立場が悪くなるし!」
と思いながら、「そうだね」と答えた。
すると、
「七瀬さんと坂口さんってどういう関係
なんですか?」と訊いてくる。
「大学からの友達だよ」と涼介が答えて、
「ごめん、もう仕事だから」と会社に帰った。
そして、残された私は
「七瀬さん、今日 お昼を一緒に食べない?」
と笑顔で言われた。
はぁ、これは囲まれるパターンですよね(ToT)
それからは、最悪だった。
「なんで、いつも坂口さんとご飯に行ってる
わけ?」
「私たちは坂口さんが好きなのに、なんで
坂口さんは貴女みたいな人を特別扱いを
するのかしら?」
「そのうえ、優輝さんだったかしらも食堂
に来られるみたいだけど、学校をなんだと
思ってるのかしら?」
と言われたい放題(笑)
唯一の救いは今日午後から授業がないこと。
もうダメと思っていると、
「七瀬先生、探したんですよ!」
「進路のことで相談がしたくて、
今時間ありますか?」
と成績優秀な清水君が話しかけてきた。
助かったと思いながら、
「そうだったんだね、ごめんね m(__)m 」
「じゃあ、相談室で話そうか」
と言ってその場を離れた。