第82章 マウスの実験はあてにならない。
目を覚まして隣を見ると、そこにあったのは在るはずのない自分の顔。勿論鏡ではない。二人は驚きを隠せず、支離滅裂な言葉を発する。
※ 以下、会話分前の表記名は外見で表しています。会話文以外の文章は本物(中身)の人物名表記です。
銀時「何で私が目の前にいんの!?」
葵咲「ちょ、お前が俺で、俺がお前で!?」
銀時「ちょっと!ねぇ、どういう事ォォォォォ!?」
葵咲「一郎兵衛(コイツ)に訊いたって仕方ねーだろ!」
軽いパニック状態に陥っている葵咲は一郎兵衛の方へと目を向けて説明を促すも、銀時は少し冷静なツッコミを入れる。だがそんな銀時のツッコミを聞いてか聞かないでか、一郎兵衛は得意気な笑顔を浮かべてゴソゴソと自らの袖の下に手を伸ばした。それを見て怪訝な表情を浮かべる銀時。今の外見は葵咲ではあるが、その雰囲気は銀時そのものだ。
一郎「お前らに出した菓子にコレ入れてみたんだよ。」
そして一郎兵衛は不敵な笑みを二人に向けて袖の下から出した薬のパッケージを掲げた。
一郎「じゃじゃーん!『イレカワール』ゥゥゥゥゥ!」
葵咲「オメーの仕業かよォォォォォ!!」
不慮の事故か何かで入れ替わったのだと思っていた銀時。それ故“一郎兵衛に訊いても仕方がない”と言ったのだが、犯人は一郎兵衛だった。その事に軽くショックを受ける。
そして今度は怒りを交えながら更なるツッコミを入れた。
葵咲「つーかそれ別の漫画の薬じゃねーか!劣化版銀魂と言われたスケット●ンスのやつだろ!なんでオメーが そんなもん持ってんだよ!!」
銀時のツッコミに対し、一郎兵衛は得意気な顔を一変して真顔に戻す。そしてしれっと経緯を口に出した。
一郎「居酒屋で隣に座った天人のオッサンにもらった。」
葵咲「まがいもんじゃねぇかァァァァ!!おまっ、これ、どうすんだよ!あと二粒ちゃんとあんの!?」
一郎「ねぇよ。」
葵咲「オイィィィィィ!どうすんだこれェェェェェ!!元に戻れんの!?ちゃんと戻れんの!?」
頭を抱えて叫ぶ銀時。これは流石の銀時もパニックだ。