第81章 何を考えてるのかなんて本人しか分からない。
数分も経たないうちに目を覚ます葵咲。眉をぴくりと動かし、ゆっくりと瞼を開けた。
葵咲「…ん?」
一郎「おい、どうした!?大丈夫か!?」
目の前には しゃがみこんで心配そうな顔で覗き込む一郎兵衛。葵咲は頭痛を和らげるように片目を瞑って額に手をあてる。
葵咲「っててて…なんだ?俺ァ一体…。一瞬雷に打たれたみてーな衝撃が…。」
心なしかガサツな口調になっている葵咲。そして隣で気を失っていた銀時もまた目を覚ます。同じように頭を摩りながらゆっくりと目を開けた。
銀時「んん…っ。何?なんか物凄い衝撃が…。」
こちらは心なしか女口調になっている。銀時というより葵咲のような喋り方。一郎兵衛は二人の様子を見ながら眉根を寄せて呼び掛ける。
一郎「葵咲?銀時??」
葵咲・銀時「え?」
一郎兵衛に自分の名を呼ばれているが、呼ばれた時に目が合わない。
そしてふと、自分の声にも違和感を感じた二人は互いに隣に目を向ける。目の前には、あるはずのない自分の顔があった。
葵咲・銀時「・・・・えええええぇぇぇぇぇ!?」