第77章 誰もに必要なのは、“帰る場所”。
葵咲「食堂のマヨネーズの事?確かに誰の物でもないけど土方さん以外欲しがらないよ。」
土方「んな話してねーよ!」
ナンデヤネン。思わぬ方向に進んでしまう会話に、そうツッコミたくなる土方だったが、ある意味ファインプレーか。そう思った土方は、墓穴を掘らない為にも余計な事は言わないようにと口を噤む。
すると今度は総悟が松本を睨みながら口を挟んだ。
総悟「副長の座もやらねぇぜぃ。」
土方「そんな話もしてねぇ!つーかオメーのもんでもねぇだろうが!それは俺のモンだよ!!」
話が変な方向へと向かってきてしまったが、ここで近藤が軌道修正。近藤は笑顔でその場にいる者達に呼びかけた。
近藤「じゃあ今日はパーッと歓迎会でもするか!」
「おぉォォォーーーっ!」
今宵の宴が決まった事で、葵咲はパンッと手を叩いて屯所内に向かって歩き出す。
葵咲「じゃあお酒の手配しときますね。」
総悟「俺も何か手伝いやす!」
山崎「俺も!」
三人が並んで楽しそうに屯所の中へと入って行き、近藤もその背を追うように屯所内へと歩を進める。
ひとまず何とか誤魔化せた事に、土方はホッと胸を撫で下ろした。
土方「・・・・フゥ。」
松本「・・・・・。」
その場に残っていた松本は土方の横顔をじっと見つめる。そして顎に手を当てて少し考えた後、土方へと話し掛けた。
松本「葵咲さんとお付き合いされているのではないのですね?」
土方「ハァ!?何言って…っ!んなワケねーだろ!」
どうやら勘の良い松本は先程の土方と山崎の会話にピンとくるものがあったらしい。
念押しで尋ねるも土方は真っ向からの全否定。それを見た松本はニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
松本「じゃあ遠慮しなくても良いって事ですか。」
土方「!?」
松本「これから宜しくお願いしますね。」
土方「…っ!」
にっこりと向けられる笑顔は宣戦布告の象徴。土方は思わず言葉を詰まらせる。新しい真選組メンバーに、期待と不安を抱く事になるのであった。
- 次回予告 -
葵咲が倒れた!?
もしや華音の術の副作用が出たのか…!?
次回もお楽しみに!
ここまで一気に突っ走りましたので
次は少しお時間頂戴するかもですが
宜しくお願い致します。。(´・ω・`)