第7章 上司が原因のパワハラは上司に相談出来ない。
「葵咲ちゃ~ん!この洗濯物、お願い出来るかな?」
葵咲「はーい、そこに置いといて下さーい。」
とりあえず、銀時と土方はその様子を見送る。すると、別の隊士がやってきた。
「葵咲ちゃん!これもお願いね~。」
葵咲「了解で~す。」
その後も次々と隊士が現れ、葵咲に何かしらの雑用をお願いしては去って行く、その繰り返しが続く。
土方「・・・・・。」
「いたいた!葵咲ちゃん、後でいいんだけど耳掃除お願い出来る?」
葵咲「はーい。じゃあ後で伺いますね。」
その様子を見ていた銀時は、ぼそっと呟いた。
銀時「・・・・・原因が見えたな。」
土方「・・・・・。」
暫くその様子を見送っていた土方だったが、ようやく動いた。そして耳掃除をお願いしに来た隊士の前に立ちふさがり、睨みながら言った。
土方「おい。」
「うわっ!ふ、副長!!」
土方「てめぇは耳掃除も一人で出来ねぇのか?」
「ひぃっ!す、すみませんでしたァァァァァ!!」
隊士は慌てて逃げ出して行った。そしてその様子を見ていた近藤は真剣な表情で葵咲に言った。
近藤「葵咲ちゃん。俺は一人で出来ねぇから後で頼んでいいかな?」
土方「おいィィィィィ!どさくさにまぎれて何頼んでんだよ!!」
近藤「膝枕は男のロマンだろう。」
土方「そういう事言ってんじゃねぇよ!!」
今度は近藤に怒りを向ける土方。そして一つため息をつきながら、葵咲に言った。
土方「おい市村。こういうこと頻繁にあるのか?」
葵咲「こういうことって?」
土方「隊士どもから頼まれごととか多いのか?」
葵咲「そんな多いって程でも…仕事のうちに入らないですし…。」
これには流石の総悟も呆れ顔だ。
総悟「塵も積もれば…ってやつですかねぃ。」
土方「…ハァ。近藤さん。ちょっと皆を集めてくれ。」
近藤「あ、ああ。」
そうして急遽、葵咲を除く、隊士全員を集めての緊急会議が行なわれる事となった。