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銀魂 - 雪月花 -

第62章 どの組織にも型にはまらない奴がいる。


差し出された写真を受け取る土方。葵咲は土方の隣に立ってその写真を覗き込む。


土方「ほう。」

山崎「共に華月楼の人気を二分する花魁です。まず、こっちが菊之丞(きくのじょう)。女性のような綺麗な容姿からその人気を確立させてます。」


そう言って指差された写真に写っていたのは山崎の言うとおり、至極綺麗な顔立ちをした花魁だった。切れ長の目は少し冷たい印象も与えるが、色白で端正な顔立ちは思わず見惚れてしまう程。髪は総悟と同じような色でサラサラの長髪だ。長い髪は一つに束ねられている。


山崎「さっき遊郭にはルールがあると言いましたが、菊之丞には関係ないようです。」

土方「? どういう事だ?」


その台詞に怪訝な顔を浮かべる土方。山崎はコクリと頷き、話を続けた。


山崎「他の花魁達は何度か通えば馴染みと認められ、関係を結ぶ事が出来ます。けど菊之丞は、何度通っても気に入らない客とは関係を結ばないようです。」

土方「お高く止まってるってわけか。いけすかねぇ野郎だな。コイツはナシだな。情報を得られる気がしねぇ。で?もう一人は?」


山崎からの情報を聞いて左手をブンブン振る土方。確かにそんな高飛車な性格では簡単に口を割るとは思えなかった。山崎はもう一枚の写真を指差しながら説明を続ける。


山崎「こっちが獅童(しどう)。傲慢な性格で、来る者拒まず。客を選んだりしない花魁です。」


指差された写真に写っていた男は、菊之丞とは違ったタイプのイケメン。この獅童と呼ばれる男も綺麗な顔立ちをしているが、菊之丞のような女性のような華奢な美しさではなく、どちらかというと男らしい格好良さがある。髪は菊之丞程長くは無いが、男性としては少し長めの赤髪。写真には煙管を片手に持って写っている。獅童について説明する山崎は眉根を寄せる。


山崎「ただ、この獅童って男も顧客によっては遊郭のルールは無用のようで…菊之丞とは全く別の意味になりますが。」

葵咲「どういう事?」
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