第58章 To LOVEるは男のロマン。
ただならぬ雰囲気、重苦しい空気が流れているのは真選組屯所、近藤の自室だ。
近藤は眉根を寄せて頬に一筋の汗を垂らす。土方も煙草を咥えたまま腕組みして唸った。
土方「…油断ならねぇ状況ってこったな。」
近藤「・・・・・。」
土方のその言葉を聞き、近藤は下唇を噛んだ。しばし部屋の中に沈黙が降りる。少しの間を置き、部屋の襖が静かに開いた。山崎である。
山崎「ご報告が…。」
土方「なんだ?」
山崎は周囲に気を配るように、ぐるりと部屋の中と外とを見回した。そして何者も潜む気配がない事を確認し、近藤と土方へ順に耳打ちで知り得た情報を提供する。
山崎「―――――。」
近藤「・・・・・。」
山崎が土方へと耳打ちしている際、近藤は二人の顔を心配そうな眼差しで交互に見つめていた。ようやく土方への報告も終わり、三人は向かい合って座る。
山崎「どうしますか?このままじゃ、また…。」
土方「・・・・・。」
再び、室内に重い沈黙が下りた。