第5章 就活するなら資格は沢山持ってた方が有利。
パトカーに向かっていた土方はふと足を止め、葵咲の方を振り返りながら言う。
土方「言っとくが、仕事に関しては厳しくするからな。」
葵咲「はい、望むところです。」
それに対して葵咲は笑顔で答える。そしてふと何かを思い出したように、総悟の方へと向き直り、申し訳なさそうな顔をして言った。
葵咲「あの、沖田さん…。」
総悟「?」
葵咲「さっきはあんな事言ってしまってごめんなさい。」
総悟「!」
葵咲「私、沖田さんのお姉さんにはなれないけど、お姉さん代わりにはなれるかもしれないから。私で良かったらまた色々話して下さい。」
思ってもみなかった葵咲の言葉に総悟は笑顔で答える。
総悟「はい。あっ!じゃあ姉上って呼んでもいいですかぃ?」
葵咲「や、姉上は流石にちょっと…。」
総悟「じゃあ葵咲姉ぇってのは?」
葵咲「はい。」
土方「…フンッ。」
笑顔でやり取りする総悟と葵咲の様子を見て、少し面白くなさそうな表情を見せた土方は、鼻であしらった。その様子を見た総悟は、自分が土方より葵咲と仲良くなれた優越感から、ニタニタと笑いながら言った。
総悟「なんです土方さん、ヤキモチですかぃ?」
土方「んなわけあるかァァァァァ!!」
そんな二人のやり取りを見た銀時が割って入る。
銀時「おいおいお前ら、俺の可愛い妹に手ぇ出すんじゃねぇぞ。」
土方「いつからオメーの妹になったんだよ!」
銀時は土方のツッコミは無視し、葵咲の手を握りながら言う。
銀時「なぁ、これからは俺の事お兄たま~♡って呼んでくれる?」
葵咲「えっ?」
明らかに冗談であろう台詞だが、何故か真剣な顔つきの銀時に葵咲は戸惑う。
土方「変な方向に持っていこうとしてんじゃねェェェェェ!!」
総悟「俺の事はそーちゃんって呼んでくだせぇ!」
そんなこんなで、葵咲の真選組での勘定方、女中としての仕事が始まるのだった。