第39章 探し物は思わぬところで見つかる。
銀時を万事屋へと送り届けて屯所へと戻ると、すっかり日も暮れていた。
総悟は夕方から仕事が入っていた為、ビルで二人と別れていた。総悟は葵咲を土方と二人にする事を心配し、物凄い形相で土方を睨んでいたが、葵咲が総悟を何とか宥め、仕事へと向かわせたのだった。
土方達は屯所内の縁側を歩く。
土方「てっててて…総悟のやつ、思いっきり殴りやがって…。」
葵咲「大丈夫?なんかごめんね。」
痛そうに頬を押さえる土方を、葵咲は心配そうな顔で覗き込んだ。土方は葵咲の方へと目を向け、首を横に振る。
土方「別にお前のせいじゃねーよ。」
そして二人は自室へと戻る為、行く先の分かれ道で向かい合う。土方は葵咲を気遣うようように言葉をかけた。
土方「…今日はゆっくり休めよ。」
葵咲「うん、有難う。ホントに…ありがと、ね。」
そう言って葵咲は軽く会釈し、自室へと足を向ける。土方は葵咲の背中を切ない表情で見守っていた。
そしてそんな二人を柱の陰から見守る陰があった。近藤だ。
近藤の気配に気付いた土方は、振り返って近藤を睨みつける。
土方「・・・・なんだよ。」
近藤「お前ら、何かあった?」
ただならぬ二人の雰囲気に、頬を赤らめながら尋ねる近藤。土方は近藤から目を逸らし、しらけた様子で答える。