第39章 探し物は思わぬところで見つかる。
土方「別に!強いて言うならこいつ担ぐ事かな!!」
『何やってんだ、俺は。』土方は、心の中でそう呟いてしまった。
土方がもやもやした気持ちと戦う一方で、葵咲はきょとんとした表情を浮かべていた。
二人は寝かされている銀時のもとへと足を向けようとしたが、その時、葵咲が何かに気付いたように、銀時のいる方とは逆方向へ駆け出した。
葵咲「!!」
土方「え?おい!」
急に走り出した葵咲の方へと目を向ける土方。葵咲は少し走った先で腰を下ろした。
葵咲「・・・・・。」
土方「どうしたんだよ?何かあったのか?」
土方は葵咲を追いかけ、その背後から声をかける。声を掛けられた葵咲は、少し背中をびくりとさせ、慌てて振り返る。
葵咲「え?ううん、何でも。見間違い…だったみたい。」
土方「? そうか。」
葵咲「・・・・・。」
少し様子のおかしな葵咲だったが、土方はそれ以上は何も言わなかった。
二人は気を取り直して銀時のところへと歩み寄る。土方は銀時の腕を自らの肩へと回し、抱え上げる。そしてビルを降りようと階段へと歩き出したその時、ただならぬ気配を感じ取った。