第36章 クーリングオフがきかない商品もあるから注意しろ。
銀時「じゃあ仕事して!俺の命護って!300円上げるから!!」
葵咲「やだよ。安すぎ。300億なら良いよ。」
銀時「そりゃ逆に吹っかけすぎだろォォォ!!何処にそんな大金あると思ってんだ!!せめて“万”にしろよ!!」
葵咲「あっ、じゃあ300万円で♪ご依頼有難うございまーす♡」
銀時「!?」
ガーン!ショックを受ける銀時。単なる言葉のあやだったのだが、まんまと口車に乗せられた形になってしまった。慌てて前言撤回を申し出た。
銀時「新手の詐欺かァァァ!クーリングオフ制度でお願いします!!買わない!つーか買えないよ!銀さんそんな大金持ってないよ!!銀さんニートだもの!!もうニートでいいよ!!」
そこまで訴えかけてくる銀時を見て、葵咲は念の為に周りの様子を窺った。だが、特に何も殺意のある気配は感じない。きょろきょろと辺りを見回し始める葵咲を見た土方と総悟は、さっと自らの殺気を消したのだ。
そして葵咲は一つため息をついて銀時を宥める。
葵咲「本当に大丈夫だって。狙われてなんかないよ。それに、フォークとナイフで命狙う殺し屋なんて聞いたことないし。」
銀時「・・・・・。」
それもそうか。そう思って銀時は渋々納得する。納得した様子の銀時を見て葵咲は笑顔で席を立った。
葵咲「私、ケーキもうちょっと取ってくるね。」
銀時「…余裕で一人で全種類食えてんじゃねーか。」
食べ残すどころか、パフェを追加で二つ食べてもなおケーキを取りに行く葵咲。その様子を見た銀時は、やはりこの勢いならケーキ全種完食も可能だと思った。
葵咲「えっと、さっきはコレ食べたから~。」
取り皿を片手に食べていないケーキを選ぶ葵咲。そんな葵咲の背後に怪しい人影が忍び寄る…。