第24章 他人は自分より優って見える。
朝日が昇り、スズメのさえずりが聞こえる。
葵咲はまだ布団の中にいた。目覚まし時計はまだ鳴っていないが、布団の中の異変に気付き、目を覚ましたのだった。
葵咲「…ん。・・・・・んん?」
眠い目をこすり、瞼を開けると目の前にはいるはずのない人物がいた。
総悟「あ…っ。おはようございやす。」
葵咲「きゃああああ!!!!!」
総悟の存在に葵咲は驚き、布団から転がり出て壁へと背中を打ち付ける。
それから間もなく、葵咲の悲鳴を聞いた土方がその場へと駆けつけた。
土方「おい!どうした!?何事だ!!」
総悟「おはようございやす、土方さん。」
土方「ああ。おはよ…って何やってんだコラァァァァァ!!」
いつもと変わらぬ調子で総悟に挨拶をされて思わず普通に返してしまう土方。だが、葵咲の布団で寝そべる総悟を見て激しくツッコんだ。
そんな土方のツッコミを無視して総悟は起き上がり、葵咲の方へと歩み寄る。壁のところにへたりこんでいる葵咲に手を差し伸べた。
総悟「葵咲姉ぇ、すいやせん。俺寝相が悪いもんで気が付いたらこんなところに。」
土方「んなわけあるかァァァァァ!!」
差し伸べられた手を取り、起き上がる葵咲。そしてほっと胸を撫で下ろしたように笑顔を向けた。
葵咲「そっか。もう、朝起きたら隣にいたから吃驚したよ~。」
土方「ってお前も信じてんじゃねーよ!!んなわけねーだろ!テメー何市村に夜這いかけようとしてんだ!!」
土方は一先ず葵咲の天然具合は置いておき、総悟の胸倉を掴んで一括した。
だが総悟はそんな土方に怯むことなく、冷静なツッコミを入れる。
総悟「土方さん、夜這いじゃねぇ。朝這いでさぁ。」
土方「寝込みを襲おうとしてるところは変わらねぇじゃねーか!!」
今にも喧嘩が始まりそうな二人。そんな二人を止めるかのように、突如押入れの襖が開き、ある人物がひょっこり顔を出した。