第23章 笑いのツボは人それぞれ。
総悟「どうかしたんですかぃ?」
葵咲「あ、ううん!なんでもない。」
曇らせた顔を隠すように葵咲は表情をパッと切り替える。そして総悟の気を逸らすかのように言った。
葵咲「それより皆大丈夫かな?怪我人の救護に回ろう。」
総悟「そうですね。バカ二人は放って行きやしょう。」
“バカ二人”という文言を聞き逃さなかった土方と銀時は、つかみ合っていた腕を放して総悟の方を向いた。
銀時・土方「誰がバカだ!こんな奴と一緒にすんじゃねェェェ!!」
やっぱり息がピッタリの二人。だが、そんな二人には構うことなく歩き出そうとする葵咲達の後を二人は追う。土方は思い出したように葵咲に状況を問いただした。
土方「つーか何があったんだよ!なんで花嫁姿!?」
葵咲「…もう説明するの面倒くさいよ~。」
本日何度目だろうか。銀時に総悟、永遠と続きそうな問いかけに嫌気がさしてきている葵咲はため息をついた。そして更に何かを思い出したように土方が声を上げる。
土方「そういや、てめっ!真選組がヤクザ組織ってどういう事だ!」
銀時「おぉ、それはなかなか的確な表現なんじゃね?」
それを聞いた銀時はポンと手を叩いて葵咲の意見に同意するような仕草を表した。
土方「てめぇは黙ってろやァァァァァ!!」
そうして五人はグダグダのまま、怪我人の集まる場所へと向かい、今回の暁党襲撃事件は無事、幕を閉じたのだった。