第126章 相手の心を開きたいなら、まずは自分の心を開け。
二人が訪れたのはホテル王蔵 大江戸。江戸で御三家に含まれる程の高級ホテル。その中でも最高峰とも言える格式高い部屋、スイートルームへと足を踏み入れる。
ちなみにこのスイートルームは和洋折衷の部屋となっており、和室にも洋室にもベッドと布団が備え付けられている。どちらでも好きな方で就寝可能といった部屋で、二人で泊まるには勿体ない広さだ。
葵咲「こ、ここって予約しとかなきゃ泊まれないホテル、だよね…?」
ギクリ。
葵咲の言葉に、土方は肩を震わせる。
土方「・・・・・。」
葵咲「しかも確かめちゃくちゃ高級・・・・!」
土方「・・・・・・・・・・。」
最初からその気だったのか、医務室で屯所に帰るかと問われたが、そんなつもりなかったんじゃないかとツッコまれるのでは。その台詞が来たら、この部屋はキャンセルするつもりだったと言おう、等と頭の中で返答をシミュレーションする。
たが、次に出てきた葵咲の言葉は土方の想像とは違っていた。
葵咲「…市民の皆さんの税金で…?」
土方「人聞きの悪ィ事言ってんじゃねーよ!俺の給料だわ!!」
葵咲「でもそれも元は…。」
土方「んな事言ったら俺ら生活出来ねぇだろうが!!」
折角のムードが台無しである。
プリプリ怒るいつもどおりの土方を見て安心したのか、葵咲はプッと吹き出しながらも土方の自分に対する気遣いを受け取った。
葵咲「ありがとう。」
土方「…っ。最初から素直にそう言っとけ。」
深夜、スヤスヤと眠る土方の腕の中で、葵咲は一人 目を覚ます。それからは眠れず、考えを巡らせていた。
葵咲「・・・・・。」