第13章 人生はRPGみたいなもの。
三人の姿を見失ってしまった隊士達は、辺りをくまなく探す。
「おい、いたか!?」
「いや…。とにかく早く探そう!!」
「あぁ。こんなことがあっちゃいけねぇ!!」
新八、神楽、葵咲の三人は路地に隠れ、真選組隊士達の会話に耳をそばだてた。
葵咲「・・・・・っ。」
新八「大丈夫です、行ったみたいですよ。」
そして真選組隊士達がその場を去ったことを確認し、新八は葵咲の方を見て口を開いた。
新八「葵咲さん、何があったんですか?詳しい事情を話してもらえませんか…?」
葵咲「…それ…は・・・・。」
とても言いにくい、といったような表情で葵咲はくぐもる。だがここまで巻き込んでしまった以上、話さなければならないと思った葵咲は、顔を上げ、事情を説明しようとした。だがその時、それより先に神楽が口を挟んだ。
神楽「新八。女には人には言えない秘密があるアル。それを詮索するなんて男のする事じゃないネ。」
新八「神楽ちゃん…。」
神楽「黙って女の秘密を護る、それが『漢』アル。」
新八「…そうだね。葵咲さん、すみません。僕が介入していい問題じゃありませんでした。僕達万事屋は、ただ貴方を守ります。貴方の秘密も含めて、ね。」
葵咲「神楽ちゃん、…あと、えっと・・・・眼鏡さん…。」
新八「新八ィィィィィ!!なんで僕だけ名前覚えてないんだよ!眼鏡さんってなんだよ!!覚えとけよォォォ!!つーか数秒前に神楽ちゃんが僕の名前言っただろうが!話聞いてなかったのかよ!!」
葵咲「二人共、有難う。」
新八「オイィィィィ!!さらっと流してんじゃねーよ!!」
新八のツッコミは無視し、とても申し訳なさそうに、でも穏やかに葵咲は二人に笑顔を向けた。そして落ち着いたら、いつの日にか万事屋の三人には、詳しい事情を説明しようと心の中で決心したのだった。