第13章 人生はRPGみたいなもの。
その時、万事屋の玄関が勢いよく開けられた。そして家主である銀時の許可なく、真選組が突入してきたのだった。
土方「誤用改めである!!」
銀時「!?」
新八「なっ!!」
真選組隊士達の先頭に立つのは、副長の土方。土方は万事屋三人と葵咲に刀を向けながら言った。
土方「市村をこっちに渡してもらおうか。」
ある程度覚悟はしていた事態だったが、土方のあまりの形相に、葵咲は思わず息を呑む。
銀時「・・・・・。おいおい。尋常じゃねぇなぁ。こいつが何したっつーんだよ。」
土方「てめぇには関係ねぇ話だ。」
銀時「人ん家で騒いどいて関係ないはねぇだろ?近所迷惑だろーが。」
土方「うるせぇ。大人しく渡さねぇようなら公務執行妨害でしょっ引くぞ。」
葵咲「・・・・・っ。」
万事屋の三人まで巻き込むわけにはいかない。そう思った葵咲は、潔く土方の前に出ようとした。
だが、それを銀時は許さず、葵咲が前に出るのを制するように、葵咲を背中に庇い、小声で葵咲に話しかけた。
銀時「お前は逃げろ。俺が時間を稼いでやる。」
葵咲「えっ…!?」
銀時「いいから早く行けェェェェェ!!」
葵咲「は、はいィィィィ!!」
葵咲は銀時の勢いに気圧され、思わず返事をしてしまった。そして銀時はそう言うと同時に木刀を手に持ち、土方に攻め込んだ。まさか向かってくるとは思っていなかった土方は、一瞬の隙をつかれ、木刀を叩き込まれる。その様子に驚いた隊士達の間を掻い潜り、葵咲、新八、神楽の三人は玄関の方へと駆け出した。
土方「あっ!待ちやがれ!!」
葵咲の後を追おうとする土方の前に、銀時は自らの木刀を突きつける。
土方「てめぇ。どういうつもりだ?」
銀時「それはこっちの台詞だろ。理由も聞かずに『はいそうですか』って渡せるかよ。」
土方「・・・・・っ。」