第13章 人生はRPGみたいなもの。
真選組内の動乱から数日が経ったある日の事。真選組副長として仕事に復帰した土方は、いつものように用事を遣わす為、葵咲を探していた。いつもなら洗濯物を干している時間だ。だが、庭に行ってもその姿は見当たらない。続いて台所、風呂場と探すが、その姿は見当たらなかった。
土方は、たまたま近くを通りかかった隊士に、葵咲の行方を尋ねてみる。
土方「おい。市村知らねぇか?」
「えっ!?さ、さぁ…。散歩にでも行ってるんじゃないですか?」
土方「?」
隊士は誤魔化し、逃げるようにその場を立ち去った。隊士の怪しい様子に訝しく思った土方は、近藤の下へと訪れる事にした。
土方「近藤さん、市村の姿が見当たらねぇようだが?」
近藤「えっ!?さっ、さぁなぁ?買出しか何かじゃないか?アハッ!アハハハッ!アハハハハハ!」
近藤の様子も明らかにおかしい。何かを隠している事が見え見えだ。その様子を睨みながら土方は問い詰める。
土方「・・・・おい。」
近藤「えっ!?」
土方「アンタ、何か隠してんだろ。」
近藤「なーんも隠してなんかいねぇよ?うん!」
冷や汗の流れ落ちる近藤の顔を、土方は煙草を咥えながら凝視する。
土方「・・・・・。」
近藤「なっ、なんだよ!!俺が嘘付いてるって言うのかよォォォ!!」
ちょうどその時、部屋の襖が勢いよく開いた。
山崎「局長!葵咲ちゃんの行方ですが…」
全く間の悪い事この上ない。山崎は土方の顔を見て、今自分が言ってはいけない台詞を発した事にすぐさま気付いた。
山崎「・・・・・あっ。」
土方「…どういうことだ?」
近藤「あーーー…。」
仕方なく、事のあらましについて、近藤は土方に説明する事になったのだった。