第113章 肝試しはペア決めが一番盛り上がる。
くじ引きも落ち着き、ペアが確定したところで進行役を務めるレイが今回行なわれる肝試しの概要について説明を始める。
レイ「じゃあ一番の方々から順に。何処かにロックされてる和式の客室があるので、そこまで行ってお札を一枚剥がし、持って帰ってきて下さい。」
肝試しの内容を聞いた銀時は、背筋を凍らせて一番に声を上げる。
銀時「えっ!?お札剥がして大丈夫なの!?魔を封印してたあの部屋だよね!?子どもが襖に穴開けたっていうあの部屋だよね!?大丈夫なの!?」
ロックされた和室。銀時には心当たりがあった。以前銀時が仙望郷へと訪れた際に最初に案内された部屋だ。おびただしい数の札を今でも鮮明に覚えている。襖に穴を開けた事で叱られた子どもが自殺し、地縛霊となり封印されている。
そんな部屋の札を剥がして大丈夫なのか。自分達の身の安全は補償されているのか。
その事を尋ねる銀時だったが、少し変な間を置き、レイが頷く。
レイ「…多分大丈夫。」
土方「今『多分』って聞こえたんだけど!不安しかないんだけど!!」
その返答には土方がいち早く反応した。安全が確認されているわけではないらしい。その事に詰め寄るが、レイは平然とした態度で答えた。
レイ「十枚…まぁ十一枚ぐらいまでなら大丈夫よ。」
銀時・土方「俺達十二番なんですけど!!」
聞き捨てならない返答だ。それには銀時も食って掛かる。ビビりまくりの銀時に、レイは深いため息を落として呆れ顔を浮かべた。
レイ「そんなにビビらなくても、ギンにとっては顔馴染みでしょ。一緒にアシスタンドした仲間達が脅かしに来るだけよ。」
土方「アシスタンドって何!?つーか何でコイツ半透明なの!?」
銀時にとっては馴染みの言葉でも、土方にとっては初めて聞く言葉。不安しかない。しかもよくよく見るとレイは半透明。その事に気付いた土方は背筋を冷たくさせる。