第113章 肝試しはペア決めが一番盛り上がる。
肝試し参加者が続々と集まる中、宴会会場内で必死に目を瞑ってやり過ごそうとしている輩が二人いた。
(銀時:泥酔したフリしろォォォ俺ェェェェェ!)
(土方:何としてでもここは回避しろォォォ俺ェェェェェ!)
二人の狸寝入りに気付いた松本は、葵咲をチョイチョイと呼び、二人の方をくいっと指差す。その事で二人が狸寝入りをしている事に葵咲も気付いた。
葵咲「・・・・・。」
そして松本は土方の傍らに、葵咲は銀時の傍でしゃがみ込んだ。二人が近付いた事でビクッとなる銀時と土方。なおも狸寝入りを続ける二人に葵咲達は独り言を装って話し掛ける。
葵咲「そっか、二人とも寝ちゃってるか。」
松本「事前に参加要請は出されていたので、泥酔しないよう自己管理は出来て当然ですけれども。でもまぁそれを忘れて飲み潰れてしまったなら仕方ないですね。“大人として”そのあたりの管理、出来て当然ですけれども。」
松本の言葉にピクリとなる土方。
葵咲「これはほんの“子どものお遊び”だから、参加出来て当然ですけれども。でも怖いものは怖い、仕方ないね。まぁ、“大人なら”参加出来て当然ですけれど。」
一方、今度は葵咲の言葉に銀時がピクリと動いた。そして葵咲と松本は打ち合わせをしたわけでもないのに息ぴったりで呼吸を合わせる。
松本「お二人なら簡単かと思っていたのですが。」
葵咲「でも…。」
葵咲「仕方ないです。怖いなら。」
松本「仕方ないです。出来ないなら。」
葵咲「しょうがない、しょうがない!」