第104章 第百四訓 「真剣勝負にドーピングは邪道。」
- 銀時サイド -
玲央も緒方と同じ状況に追い込まれていた。強化した身体は劣化し、肌や角はボロボロと剥がれ落ちていく。かぎ爪も砕け、元の玲央の手に戻っていた。
玲央「ぐァッ!!な、何だ?何が…!?」
近藤「これァ一体…?」
変貌を遂げる玲央を前に、近藤はあたふたしてしまう。
銀時も少しの間、玲央の変化を眺めていたが、ハッとなってこれは好機だと捉えた。
銀時「ボサッとするな!!」
近藤「!」
銀時からの掛け声で近藤も我に返る。状況はよく分からないが、玲央を倒すチャンスに変わりはない。二人は渾身の一撃を送り込んだ。
銀時・近藤「うぉぉぉォォォォォ!!」
玲央「ぐァァァァァッ!!」
二人の攻撃を受けた玲央もまた、その場へと倒れ込む。玲央が完全に動きを停止した事を見て、銀時と近藤はフゥとため息を吐いた。
銀時「テメーの敗因はドーピングに頼った事だ。大事な試合はテメーの力だけで立ち向かいやがれ。」
近藤「そんな事では一生掛かってもオリンピックには出られんぞ。」