第11章 情けは他人の為ならずって諺は、結局は自分の為になるって意味。
二人とキメラアント達の姿を見失った土方は、きょろきょろと辺りを見回す。
土方「くそっ!何処行きやがった!?こっちか!?」
そう言って土方は近くの空き部屋へと入った。
その時、土方は何者かに掴まれ、押入れの中へと引きずり込まれた。
土方「!? 誰だ・・・っ!!」
葵咲「しーーーっ!!」
土方「市村!?」
葵咲はなんとかキメラアント達を振り切り、この部屋の押入れへと逃げ隠れたのだった。
葵咲「大丈夫?土方さん。」
土方「ああ、俺は何ともねぇ。お前は大丈夫か?」
葵咲「私も何とか…。隙を見てここに隠れられたから。」
土方「確かに、それが得策だな。」
葵咲「とりあえず一緒に一晩ここで隠れてしのごう。」
土方「そうだな、そうす…」
思わず葵咲の提案を受け入れそうになった土方だが、ふと考える。
(土方:一緒に一晩・・・・・!?)
土方「いやいやいやいや待て待て待て待て、それはマズイだろ!こんな暗闇で密着して一晩とか俺がもたねぇよ!!」
葵咲「? 厠ですか?」
土方「違うわァァァァァ!!だからお前はそういうの疎いって…むぐっ!」
叫ぶ土方の口を慌てて塞ぐ葵咲。
葵咲「しっ、しーっ!静かに!!足音が聞こえる!」
そう言ったまま葵咲は自分の手を土方の口に当てたまま放さない。かなり密着した状態で土方の腕に葵咲の胸が当たる。
(土方:ちょ、本気でヤバイんだけどォォォ!どーする?どーすんの俺!!続く!!って昔のライ●カードのCMやってる場合じゃねェェェ!!オダ●リジョー出てくんじゃねェェェェェ!!!!!)
土方の頭の中でオダ●リジョーが五枚のカードを持ち、さぁどれか引けと言わんばかりに微笑む。そのカードにはそれぞれ、「欲求解消」「紳士的」「威厳」「忍耐」「失神」と書かれている。心の中で必死にオダ●リジョーを押さえつけ、耐え忍ぶ土方だった。