第91章 ホームセンターでの買い物は行き慣れた店が買いやすい。
真選組屯所。
場所は土方の部屋だ。
土方「有給休暇?」
胡座をかいて刀の手入れをしている土方。その前で、葵咲は正座して有休申請の書類を出す。真剣な表情で書類を提出する葵咲に、土方は手を止めて向き合った。
葵咲「はい。一週間…いえ、五日間でも良いんです。」
土方「何かあんのか?」
そんな長期の休暇を申請するなんて珍しい。過去今までなかった申し出なだけに、思わず理由を尋ねてしまった。だが葵咲は理由の詳細は述べずに端的に話す。
葵咲「『私用』です。」
土方「・・・・・。」
まぁ本来なら事前の休暇申請に理由は必要ない。むしろ一般企業ならプライベートの事を尋ねるのはアウトだ。だがつい先日、桂(土方はエリザベスだと思い込んでいる)との惚れた腫れたの事件があった事もあり、土方は少し警戒していた。その件を述べようとするも、葵咲がそれを遮るように誤魔化そうとする。
土方「けどお前…。」
葵咲「プライベートな事なので。それ以上詮索するのは~上司として如何なものかな~なんて思うな~~~。」
土方「・・・・・。」
じーっ。
何か怪しい。それは警察としての勘か、目を泳がせる葵咲の顔を凝視する。そんな土方の鋭い視線に耐え切れなくなった葵咲は、『うっ…。』と唸り、渋々といった様子で頬を掻きながら述べた。
葵咲「すみません、ちょっと遠出になるので長期で頂きたくて…。でも、戻ったら今まで以上に仕事頑張るから!だから…」
やはり理由は言わない。だが決してやましい気持ちがある様子は無い。その事を必死に伝えようとする葵咲。葵咲は土下座にも近い姿勢で深々と頭を下げた。