第7章 水と君と俺の 【七瀬遙】
真琴が言うに
俺たちはバカップルというやつだったらしい
季節がめぐり秋
珍しく大雨が降った日のことだった
『わぁー。雨すごいねー。帰れるかな?』
遙「雨…………」
真「ハル、飛び込んじゃダメだからね」
遙「そんなバカなことはしない」
『ハルちゃんならやりそう!』
遙「………、早く帰るぞ」
俺は後悔した
何であの時、早く帰るぞと言ってしまったのか
『見て見てマコちゃん!ハルちゃんがね、ストラップ買ってくれたの!イルカなんだよー』
真「本当だ、可愛いね。ハルが祐季にプレゼント送るようにまでなるとは……」
遙「いいだろ、別に///」
『あっ、ストラップが……』
その時、急な強風のせいで
ストラップが祐季の手から洪水している川に落ちた
『どうしよう………、せっかくハルちゃんが買ってくれたのに………。私、とってくる!』
遙「おい、バカ!危ないからやめろ!」
真「祐季!危ない!」
『あっ!』
遙「祐季!」
ストラップをとりに、川に近づいた祐季が
足を滑らして、川に落ちた
俺は、いてもたってもいられなくなって
川に飛び込んだ
遙「祐季!祐季!」
『ハ……ル…ちゃ……ん……』
遙「俺の手に掴まれ!」
『ん…』
大雨のせいでうまく手を掴むことができない
俺は必死になった
でも祐季は流されてしまった
真琴が学校や警察に電話をしていてくれた
すぐに人がきて
俺たちは川から離れたところに行かされた
それから1時間後だった
息をしていない祐季が発見されたのは
手には俺が買った、イルカのストラップが握られていた
俺は変わり果てた祐季を見ることしかできなかった
真「そ、そんな…………。祐季が……」
真琴も唖然としていた
遙「俺の、俺のせいだ………。俺がちゃんと祐季を止めていれば……」