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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第14章 【縁下兄妹、東京へ行く】後編


まさかの流れに美沙があうあう状態になった所でとうとう黒尾を伴った夜久がこらお前らっと飛んできた。

「アイドル困らせてんじゃねえっ。」
「アイドルて。」
「何だ違うつもりだったんか。」
「えらいこと言わはるわ。」
「俺別に困らせてないです夜久さん、虎さんが」
「んだとリエーフ仮にも先輩に向かって」
「ウルセーッ3人共同罪だっつの。おらリエーフ、一旦こっち来いっ。」
「山本と犬岡はこっちだっ、ったくこの狂信者共がっ。」
「クロさんそりゃないっすよ、俺は純粋に美沙さんを」
「うるせえ黙れとにもかくにもキモいわっ。」
「やっぱり烏野のあの人は凄い影響力がありますね。」

芝山が苦笑し海がこめかみの辺りに汗を浮かべて一応は微笑みながらそうだなと頷く。

「夜久の言う通りすっかりアイドルだ。」

ずるずると引きずられる灰羽、犬岡、山本の3人を見ながら孤爪と福永ですら苦笑していたのは相当の事態であると言えた。

この間美沙の義兄である縁下力はどうしていたかというと梟谷や音駒の他の連中と話しながらも我慢していた。美沙が絡んだ時限定で歯止めがききにくい彼にしては偉い。よく頑張ったものである。それでも密かにソワソワしているのを成田と木下が気づかないはずもなく、2人はさてと顔を見合わせる始末である。

「成田、どーする。」
「まだしばらく様子見とこう。ただ美沙さん今木兎さんと赤葦君に捕まってるからなぁ。」

成田は心配そうに美沙の方を見やった。


音駒側が落ち着いたかと思えば美沙はぶっちゃけ木兎に絡まれていた。

「いやあままコお前すっげえなあ、リエーフとかにもモテモテじゃん地味なのに。」
「何でいきなりハンネ呼びっ。」
「だってお前ままコなんだろ。」
「あの、私は縁下美沙です。」
「長い覚えられんっ。」
「赤葦さん。」
「木兎さんはこういう人だから。」
「さよですか。ちゅうか地味言うなっ。」
「地味は地味じゃん、なあお前はバレーやんねーの。」
「やってないです。」
「何でよ、たっのしーぞー。」
「私運動苦手やから。」
「もったいねーっ。」
「木兎さん、無理強いはいけません。」
「ちぇー。」

つまらなさそうに唇を尖らせる木兎に美沙はその代わりと付け加える。
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