第14章 【縁下兄妹、東京へ行く】後編
更に
「美沙さんっ、お優しい上に創作も出来るなんてっ。」
「絵は下手だけど。」
「だな。」
山本に至っては涙ぐみ孤爪と夜久が真実を突いている間にも縁下美沙は木兎にグイグイ来られて赤葦も今回はあまり止めない状況で頑張っている。とうとう灰羽、犬岡、山本がそこに混ざり込んでいった。
「美沙さんっ、すすすすげーっすねっ。」
「あ、ありがとうございます。」
「スマホとかパソつええのは知ってたっすけどっ、なんか、そのなんか、かかかカンドーしたっすっ、」
「そない言われると何か嬉しい。」
ひどく照れる美沙に対し逆に山本は喜ぶ。
「美沙さんがっ、喜んでくださったっ。」
「良かったっすね、虎さん。あ、美沙こないだ猫の写真撮ったの見る。」
「見る。あ、可愛いなあ。」
「だろだろっ。腹減るの我慢して撮ったんだぜ。」
「そらお疲れさんやったねえ。ちゅうか犬岡君の親御さんは大変そうやな。」
「美沙だって大食いじゃん。」
「リエたんはちょっとそこ座ろか。」
「リエたん言うなってか美沙こっち。」
「何で写真っ。」
「姉ちゃんに美沙がこっち来るつったら頼まれたんだよ。」
「お姉様の中で私は一体どないなっとんの。それから別にあんたは一緒に写らんでえーやろっ。」
「リエーフ貴様っ、抜け駆けは許さあああんっ。」
「俺も入るー。」
「虎さん邪魔っすっ。犬岡は飛ぶなよあぶねーっ。」
「リエたんあかんあかん肩掴まんといってっ。」
「いーじゃん位置がずれるんだっつの。」
「兄さんが怖いねんってもう寿命がどないなっても知らんからっ。」
「はい、チーズっ。」
「ふぎゃあっ。」
「もっぺんいくぞー、はいチーズっ。」
「うおおお学校の集合写真以外で初めて女子と写真にっ。」
「姉ちゃんに送信、と。」
「リエーフ、俺にも俺にもっ。」
「おー。美沙にもちゃんと送るからな。」
「う、うん、おおきに。」
「俺にも寄越せっ。」
「えー何で虎さんに。」
「何だとてめーっ。」
「あのそのそない揉めんでも。」