第66章 【烏と狐といろいろの話 その7】
「すごいことになってるけど、稲荷崎の主将さんが戻ってきた時こっちはどうしたら。」
伊達工側で1年の作並が呟く。
「及川と宮兄弟が一緒に怒られるとこを見物してりゃいいんじゃないか。」
2年の小原は完全に諦めていて、
「それってありなんですか。」
吹上がポツリと呟く。
「寧ろ稲荷崎主将があいつら怒ってくれたほうが早いって話あるぞ、収拾つくだろ。」
笹谷に至っては暴論ときた。
「でもそれって、あのままコ、だっけ、がまた叫ばないか。」
梟谷から小見が口を挟むと鎌先がハハハと豪快に笑う。
「大丈夫大丈夫、今兄貴がガッチリ抱っこしてるから。」
「すみません、それ大丈夫って言わないんじゃ。」
まさかの尾長渉が鎌先に突っ込みを入れたところで、謎の写真交換会は終わり、縁下美沙は疲弊して恥も外聞もなくその義兄にしがみつき、北がお手洗いから戻ってきたのであった。