第64章 【烏と狐といろいろの話　その5】

二口が怒鳴るが菅原はトボけた顔で流し、暴れそうになった二口はなんと鎌先に羽交い締めされるという事態が起きるのだが

「俺はやっぱり青城ですかね。」
「おいパンタロン、普通に答えんなっ。」
「他の県内校ってことで、俺は白鳥沢。」
「笹やんまで乗っかってどうするんだよ。って、青根も頷くなっ。」
「茂庭さんはどうなんですかっ。」
「いや、黄金、俺に聞かないで。」
「ちなみに俺はやっぱり青城だと思いますっ。及川さんが美沙さんにご執心とのことなんでっ。」
「ダメだよ黄金川君ご執心とか言っちゃ、美沙さん頭抱えちゃってる。あ、僕は先日文化祭でお会いした音駒、でしたっけ、の皆さんで。」
「へー、作並は意外な方向だな。だったら俺もそっち繋がりで梟谷の人達行ってみようかな。」
「オバまで参加してどーするっ。」
「うるさいわねえ、そういう二口はどうなのよ。あ、私も梟谷ね。というか烏野と一緒にマネ同士で会いたい。もちろん美沙さんも込みね。」
「兄さんっ、滑津さんがみんなを止める努力ほり(放り)はったっ。」
「まだあと四人、意見出てないぞー。」
「菅原君はまだ先生ごっこやるつもりなんか。」
「すみません北さん、この様子じゃキリがつくまで止まらないかと。」
「妹さんの台詞(せりふ)やないけど、ほんま意味わからんな。」
「ほらほら、吹上君も参加参加。」
「ええっ。じゃあ、その、手堅く青城で。」
「はいはいはいっ、俺は白鳥沢と予想しまっす。」
「鎌ち、二口抑えながらノリノリでやるなっ。あ、美沙さん、しっかりっ。」
「美沙、先は長いから。」
「茂庭君は。」
「ちょっと菅原君まで俺に聞かないでくれよ、存外烏野以外はこないんじゃないか、というか美沙さんの為にもそうあってほしい、切実に。」
「という皆の意見を踏まえて、二口君は。」

ここで先輩に羽交い締めにされたまま、混沌を見せつけられていた二口は菅原に再度話を振られて行くところまで行った。