第61章 【烏と狐といろいろの話 その2】
「スマン。」
気がついたのか北が言って、力はハッとした。
「あ、いえ、こちらこそ変な話をして申し訳ないです。」
「いや。俺には全く経験のないことやから、ある意味勉強やわ。」
北はまた茶を一口。
「考えてみたら、1人になった子が赤の他人の子になるって相当覚悟いる話やな。」
「俺もそう思ってます。美沙は自分で決めたってあっさり言うけど、よくぞやったなって。だからその分、守ってやりたくて。」
「心意気は買うけど、程々にな。」
痛いところを突かれて力はまた苦笑した。
次章へ続く