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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第61章 【烏と狐といろいろの話 その2】


ということで縁下家に到着して、客人3人が家族にも挨拶を済ませ、まずそれぞれ部屋割りの確認である。

「先に連絡した通りだけど、今日は侑君が俺の部屋。治君は北さんと一緒にそっちの客室で。」
「次の日は侑と治が入れ替わりやな。」
「しゃあないからOKしたけど、やっぱりめんどいなあ。」
「お前が暴言豚やなかったら話早いねん。」
「あん。」
「2人共、五十歩百歩や。とにかく人様の家でも喧嘩しかねん奴らを一緒くたにできへん。」

北に身も蓋もなく言われた双子はうっと唸って押し黙る。
そこへ客室から美沙が出てきた。

「兄さん、こっちの部屋大丈夫やった。ちゃんとクーラーも動いとう。」
「ああ、ありがとう。」
「スマンな、ままコさん。」

いえいえ、と北に返す美沙を侑がじっと見つめている。

「侑さん、どないしはったん。」

疑問形で言う美沙に侑はいや、と呟き

「俺、ままコちゃんと一緒が良かったなー。」

とんでもないことを抜かした。

「はい。」

言われた美沙はキョトンとしているが、残りの3人中2人には衝撃が走っている。

「このダボッ、北さんおる前で洒落(しゃれ)んならんこと言うな死にたいんかっ。」
「ダボは使わないで。てか相方君をぶっ飛ばしてもいいかな。」
「ええよ。」
「おいサムっ、何あっさり許可出してんねんっ。」
「日頃の行いとこの状況考えろ、クソツム。」
「あ。」
「3人共ええ加減にせえ。」

双子と義兄で何やらまた起きそうなところへ北がピシャリと言い、これまたすぐ静かになる。

「兄がえらいすみません。」

恥ずかしくなってきた美沙が言うと北は、いやと返した。

「こっちもまた双子がスマン。当分こんな調子やけどちゃんと行き過ぎんようにするから。」
「あ、そこは心配してないです。」
「とはいえ」

ここで北もまた美沙をじっと見つめる。

「自分も呑気過ぎんか。」

美沙は首をかしげ、北はこれはあかんと思ったのか更に続ける。

「自分でどう思てるか知らんけど、一応女子やろ。」

ここで美沙は、うーん、と呟いた。

「でも私、兄のチームの人らからも女子力皆無とか女子っぽくない扱いされとるし。」

一切狙っていない、思ったままの発言はまさかの事態を引き起こした。
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