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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第59章 【王者の恩返し】 その6


「美沙ちゃんはつまり白鳥沢との練習試合を部外者として生で見てた訳だよね。」
「まあ、そないなりますけど。」
「前うちに来ちゃった時もあのまま見学してたじゃん。」
「流れで確かに。」
「うちとの練習試合はどうだったの。」
「どうって。」

えらいまたむつかしいこと聞いてきはるなあ、と美沙は内心困惑する。

「例えば白鳥沢と比べて、とか。」
「おい。」

何か察したのか、向こうの席から岩泉が相方に声をかけるが及川はわざと流したようだ。

「比べてどういうことちゃうでしょう。」

一方で美沙は困惑しながらもはっきりと答える。

「それぞれええとこ持ってはるんやから。」

それが結果にどうつながっていくかは問題であるが。

「でもまあ、それで言うたら」

美沙はゆっくりと話を続けた。
首を傾(かし)げながら視線を下に落としていたので、烏野・白鳥沢・青葉城西ほぼ全員から注目されていることに気がついていない。

「なんちゅうか烏野とは別の方向で多彩やなって。」

及川がワクワクしたように美沙の顔を覗き込んでいる。
他の連中もいつの間にやら黙ってこの約1名の話を聞く姿勢になっている。

「花巻さんは守りから攻めから縦横無尽に対応してはったし。」

お、わかってんじゃんと言いたげに花巻がニヤッとする。

「松川さんはブロックが秀逸で素人が見てもこれやられたら絶対キツいやつってわかるくらいやったし。」

腕組みをして松川がうんうん、そうでしょといった調子で首を縦に振っている。

「岩泉さんはやっぱしパワーですよね。失礼ですけど私あない強力なスパイク打つ人って思(おも)てなくて、めちゃくちゃびっくりしました。」

何かにつけて及川と縁下兄妹のゴタゴタに巻き込まれて怒っていることが多い岩泉だがこれについては満更でもなさそうな顔をしている。
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