第57章 【王者の恩返し】 その4
「てか、ままコさんだってもう限界じゃないのか。」
川西が呟くと田中が、そのはずなんだがと反応する。
「まだ食ってんな、縁下妹。」
「将来フードファイターになるんじゃ。」
「間違いなく縁下が許さねえコース。」
「わかんねーぞ龍、美沙に合ってるなら案外許すかも。」
「ないない、西谷、それはない。」
話に途中参戦した西谷が成田に突っ込まれたあたりで、
「あの子といえば」
ふと大平が口を挟んだ。
「こないだ練習試合撮ってもらったやつを皆で見たんだけど」
聞きつけた澤村が口の中のものを飲み下して振り返り、他の連中も注目する。
「編集が流石だったな。」
大平はそんなに大きな声で話したわけではなかったが、向こうの席で縁下美沙がピピクッと反応していたのだった。
次章に続く