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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第55章 【王者の恩返し】 その2


「なぁ、今の」

山形が恐る恐るといった様子で呟く。

「お前の腹か。」

その視線は力の隣に座っている美沙に向けられている。
基本何も考えていない美沙だが流石にこれは恥ずかしかった。
烏野、白鳥沢両陣営からほぼ遠慮なく注がれる視線に思わず俯いてしまっている。

「ああ、ええと」

義兄の力は苦笑してフォローしようとしたが

「うん、みんな」

ここで大平が言った。

「せっかく若利達が楽しむのに来てるんだから、弄るのはそのへんにしよう。」
「烏野のみんなもな、何か起こるまでは飯にしながら静かにしてよう。」
「澤村先輩っ。」
「大地さんっ。」
「心配するな、万一及川あたりが突撃した場合は合同で阻止するから。」
「どさくさに紛れてうちを巻き込むなんて、本当に澤村は食えないな。」
「大平君に言われるほどじゃないさ。」
「兄さん、あれ何の戦争の縮図。」
「お前は腹減ってるくせに物騒なギャグを飛ばすんじゃない。」

そんなこんなと謎のやりとりが展開されている中、

「そろそろ本当に食事にしよう。」

牛島がおもむろに言って縁下兄妹、及びついてきた一同はやっと食事にすることになった。

なお一連のやりとりの間、他の客の多くが凝視してはヒソヒソやっていたのは言うまでもない。
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