第53章 【Sorry for Dali その6】
「また青城が湧いて出たみたいでさ。」
「湧いて出たって、アクションゲーのモンスターか。」
「俺からしたら似たようなもんだよ。」
力は木下の突っ込みにサラリと返した。
「というか及川さんが、だな。何度倒しても一定時間したらまた復活する、みたいな。」
「や、縁下はスキルも装備もMAXにして、復活しなくなるまで叩き潰すタイプでは。」
笑顔で無茶苦茶を言い出す力に田中が呟き、
「だな、」
西谷が頷く。
「ステージ突入した瞬間に敵は全滅。」
無茶苦茶である。あまりの事に日向が影山に耳打ちをしていた。
「影山、いいのか。縁下さんが大王様の事けちょんけちょんに言ってるぞ。」
「バレーの事関係ねぇし、お前ならままコ絡みで縁下さんに干渉する勇気あんのか。」
「ない。」
「だろ。」
「及川さんもけちょんけちょんに言われるような事やる頻度高いもんね、ツッキー。」
「山口、僕に同意求めないでくれる。」
「てかお前ら2年は一体どこのゲームやってんだよ。」
菅原が突っ込む。
「もっとも、美沙の話では及川さんのおかげでもう一つ楽しい体験が出来たそうですが。」
「やれやれ、及川は本当にややこしいな。もはやファン通り越して信者じゃないのか。」
「流石に美沙が本当に悪い事をしたら叱ってくれると信じたいです、大地さん。」
「まぁどっちにしろ、」
ここで東峰が言った。
「来てくれたの茂庭君でマジ良かったな。」
「はい。」
力は微笑み、頷く。
「よし、じゃあシスコンが落ち着いた所で早いとこ練習行くぞ。」
笑顔で澤村に言われて力は赤面した。