第49章 【Sorry for Dali その2】
「じゃあ美沙さん、日曜日に。」
茂庭が美沙に微笑む。
「はい、よろしくお願いします。」
美沙と力も一緒に頭を下げる。
そうして美沙と日曜日の約束をした茂庭は失礼しますと烏野一行に告げ、鎌先、笹谷も共に挨拶をして去っていった。
「良かったな縁下、美沙さん。」
引き続き歩きながら澤村が言う。
「そうですね。」
「ほんまに。」
縁下兄妹がそれぞれ頷いている。
「マジで超ラッキーだよなぁ。」
菅原も言った。
「茂庭君条件ぴったりじゃん、美沙ちゃんの知り合いで縁下が安心できて日曜空いてるって。」
「そうね。」
清水も同意したところで菅原は1人ハッとする。
「もしや俺って天才っ。」
「いやたまたまだろ。」
苦笑して突っ込む東峰に菅原はノリ悪いでやんのとぶつぶつ言う。
「どっちにしろ、俺らも安心です。」
更に話に乗るのは成田である。
「相手によっちゃ縁下がどう暴走するやら怖かったんで。」
「そこまで言うか。」
「言われても仕方ない実績があるだろ。」
抗議するも成田にあっさり痛い所を突かれて力はムスッとしながらも口をつぐむ。
「だけどさ、」
遠慮がちに言うのは木下である。
「別の意味で大丈夫かな。茂庭さん本人は全然問題ないけどよ、美沙さんが出先で色々引き寄せたら捌ききれないんじゃね。」
「確かに。」
田中が木下に同意する。
「縁下妹が引き寄せる大騒ぎは尋常じゃねぇからなぁ。」
「毎日のように清水先輩に無視されて喜んだり男子に威嚇する人に言われるて何事なんやろ。」
「何か言ったか、縁下妹。」
「はてさて。」
「てめーっ。」
「確かに田中に言われたくないな。けど事実は認める。」
力は苦笑した。
「つっても大丈夫な気がするんだよな。」
烏野の一同は美沙も含めて力に注目する。
「何でだ。」
代表するかのように西谷が尋ねると力はだって、と答えた。
「あの二口君達をまとめてた人だし。」
「あー、」
しばしの沈黙の後、美沙がぼそっと呟く。
「そっか、兄さんと同じ匂いするいうことはそういう事やんね。」
「どゆこと。」
尋ねる日向に美沙は一旦ゴクリとつばを飲み込んでから言った。