第48章 【Sorry for Dali その1】
「俺としても今回及川さんは勘弁かな、ここ最近マジで目を離したら何してくれるかわかったもんじゃないから。というか美沙、前にバイト頼んできた子はどうなの。」
「聞いたよ、兄さん待ってる間に。せやけど美術館はパスって。」
「そうか。」
「困ったなぁ、他にすぐお誘いできそうな人おらん気が。」
「美沙、何なら牛島さん誘ったらよくね。」
再び唸る美沙に対し、1年の日向翔陽がとんでも発言をした。
勿論男子排球部の連中は力を含めて多くがビビるし、美沙も飛び上がる。
「アンッタは阿呆かあああああっ。」
美沙は叫んだ。
「美沙っ、声おっきいっ。」
「アンタに言われとないわっ、言うに事欠いてなんちゅうことをっ。」
「だって美沙、伊達工の主将とはすぐ喧嘩になるし、研磨やリエーフ達は東京だし他のファンの人達もみんな県外だし。」
「だからってウシワ、いや牛島さん持ってくる人があるかいなっ。」
「じゃあ、五色は。あと、青城なら狂犬って人とか国見と金田一とか。」
「日向、そもそも根本的なとこ突っ込んでええか。全員バレー部でバリバリやってはるやろ、こっちと同じで日曜は普通に練習あるんちゃうの。」
「あ。」
「お前馬鹿だろ。」
「馬鹿は影山もじゃんっ。」
「どう考えてもこの場合馬鹿はてめぇだ日向、国見がままコ嫌いなのも忘れてんじゃねぇか。」
ケッと吐き捨てる影山飛雄に日向はぐぬぬぬとなるばかりで何も言えない様子だ。
「国見君からしたら大変だもんね、主将さんが美沙さん見る度すごい事になるもん。」
「私は別にわざとちゃうし毎回無断抱っこもやめてって言うてるんやけど。」
苦笑する親友の谷地にまで言われて美沙はブツブツ言う。
ここでふーむと言うのは意外にも日頃やかましいので力に怒られる事が多い2年の田中龍之介である。