第8章 【獅子の姉、萌える】
灰羽の姉弟は勿論知らないことだがその頃、縁下美沙はその義兄の部屋に突撃して泣きついていた。
「ふぎゃあああ、兄さーん。」
「どうした、美沙。」
「リエたんのお姉さんに顔が割れたああああ、しかも向こうめっちゃ美人さんやってん、どないしょう。」
「あーびっくりした、てっきり意地悪されたのかと思ったよ。」
「意地悪はされてへんけどめっちゃ恥ずかしい。」
「よしよし、泣かない泣かない。」
「もうしばらくリエたんとビデオ通話しとない。」
「うん、それは極端だから落ち着こうな。」
うううと唸る半泣きの義妹の頭を縁下力はそっとなでてやり、もうちょっとこの外見コンプレックスをどうにかしてやれないもんかなと思案するのだった。
【獅子の姉、萌える】終わり