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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第40章 【トラブルドゥトラベリング】その6


一連の会話の間も縁下美沙は全然動かず、気絶しているも同然であった。


とは言うものの実際宮城に近づくにつれて落ち着いてきて、到着する頃には縁下美沙は復活していた。
本人曰く何だか物凄い夢を長く見ていた気分だったという。

「ほなね。」

宮城に到着、先生から帰宅までの注意事項、今後の予定についての連絡事項を受けて現地解散になってからの事だ。

「うん、バイバイ、美沙さん。」
「多分俺等以上に疲れてるだろうからゆっくり休んでね。」
「おおきに、山口。」
「な、美沙、俺ら大丈夫だよな。あんなんなったけど縁下さんに怒られないよな。」
「大丈夫、ちゅうかもしまた兄さんが訳わからん事言うてたら教えて。」
「それよりままコ、宮さん達と撮った写真のがヤバイんじゃねぇのか。」
「それは言わんといて。」
「それよりままコさん、報酬の件は忘れないでよね。」
「ちゃんとスマホにもメモっといた。月島、ホンマおおきに。」
「さあ。」

そうして美沙は谷地達と別れ、帰路につく。
義兄の待つ家まであともう少しの辛抱である。


一方義兄の力はまだかまだかと義妹を待っていた。
あれから義妹はちゃんと定期的に連絡を入れてきたとはいえ直接顔を見ていないし、そもそも稲荷崎と遭遇しただけのみならず及川に写真を誤送信までしてくれたので落ち着かないといったらない。
例によって木下成田を筆頭に排球部のメンバーからは散々突っ込まれ続けたが義妹がいない間はずっとこうだった。
ああもうマジで落ち着かないなと思っていたら玄関のインターフォンの音が聞こえた。
力はハッとして椅子から立ち上がり、部屋を飛び出してバタバタと玄関へ向かう。

思うより慌てていたのか階段から一瞬足を踏み外しそうになる。
降りきったらちょうど玄関のドアを閉めて義妹がこちらを振り返ったところだった。

「兄さん、」

久しぶりに見た生身の義妹が微笑んでいた。

「ただいま。」
「おかえり、美沙。」

両親がその場にいなかったのをいいことに力はそっと義妹に手を伸ばしてその髪をくしゃっとやる。
見上げる義妹はえへへと宮兄弟の前なら絶対に見せないであろう笑顔をしていた。
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