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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第40章 【トラブルドゥトラベリング】その6


「ままコちゃん発見。」

すぐさま侑がマジでっと反応するがままコを知らない他の生徒はいきなり何やと首を傾げる。
だがしかし

「おいすぐ追っかけるでっ。」

侑は構わずすっ飛んでいき、

「何また抜け駆けしとるんじゃ、俺が先やろっ。」

先を越された治が怒りながら後を追う。
残された生徒達はぽかーんと2人を見送りながら、双子はいっつも訳わからんと呟いていた。


宮兄弟の歩幅なら小柄かつ華奢に分類される―特に谷地―少女2人にはすぐ追いつけたはずである。
だがしかしなかなか巧妙な事に彼らはサササッと近づいては気づかれるかもしれないと廊下の曲がり角に身を隠したり、立ち止まって通りすがりのふりをしたりしながらうまい具合に付かず離れずの距離を保っていた。

「おいサム、しくんなや(しくじるなよ)。」
「誰に言うてんねん、クソツム。」
「今ままコちゃんに見つかったらゲームオーバーやからな。」
「すぐふぎゃあ言うもんな、あれ何やねん。」
「知らん、初めて電話で喋った時俺も速攻ふぎゃあ言われた。」
「それはしゃあないな。」
「何やねんっ。」
「騒ぐなや、見つかるやろがい。」

はっきり言ってストーキングにしか見えない。
知らない学校の美形の双子がウロウロしているので現場にいた烏野の1年生達は当然凝視し、え何、ヤッバ超イケメンじゃん、どこかのアイドルかな、何やってんだあれ、さっき5組の谷地さんともう1人が通ってったけど、ゲッまた縁下かと好き勝手言っている。
間違いなく美沙の義兄、縁下力がいたら激怒する案件だ。

双子はそんな事にはちっとも構わず、息の合った動きで縁下美沙と谷地仁花の後をつけ続ける。
これが俗に言う、無駄に洗練された無駄のない無駄な動きというものかもしれない。
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