第6章 【初めてのバレンタイン】
「んー。」
「どしたん、兄さん。」
「やっぱりお前を他所にやりたくないな。」
「なななな何を。」
「お前こそこんだけの仲になっといて何を今更。」
言う力に唇を塞がれる。
「特に青城のあの人には絶対やらない。」
言う力から黒い何かがはみ出ている気がして美沙は今日男子排球部の皆に送ったものと同じものを後日こっそり及川と岩泉に渡す予定である事を黙っておこうと固く誓った。世話になっているからという理由だけだが岩泉は大丈夫として及川については義兄が爆破しに行くなどと言いだしかねなかった。
その力はその母に怪しまれるギリギリまで美沙を離さずこれでもかと義妹を愛でまくり、その後貰ったチョコもついつい平らげたという。
【初めてのバレンタイン】終わり