第26章 【パニック at the 文化祭 後編 その2】
「これは仕様やのスカートが短いからこないなるのっちゅうかええ加減私ら兄妹の名前覚えてっ。」
早口で言いながら美沙は牛島の背をペシペシペシと叩く。バレーボールで名が知られている奴ならともかくそれ以外で天下の牛島若利に向かって堂々と文句を言う上にペシペシする奴はおそらく珍しい。
白鳥沢の面々は勿論度肝を抜かれ周囲の客も何だ何だと面白がって見つめている。
「おい薬丸っ、牛島さんに何するっ。」
珍しく白布がキレるが
「ええいやっかましい、下着の事弄られるんこれで4度目やええ加減我慢出来へんっちゅーのっ。」
何と美沙はキレ返した。
「んな事こっちが知るか勝手に暴走してんじゃねーぞ捨て子の薬丸っ。」
「私今縁下やもんっ。」
「どっちでもいいだろっ。」
「ようないですー、人の名前間違えたらあかんねんでー。」
「こいつっ。」
「白布さん落ち着いてくださいっ、おい電脳、うちの白布さんキレさせんなっ。」
「何度も言うとんのに名前間違える白布さんが悪い。」
「確かにっ。」
「バカヤロ工っうかうか乗せられてどーするっ、白布も落ち着けっ。」
瀬見まで出動する事態になったところを他の白鳥沢の連中は眺めている。
「ありゃりゃー、若利クン意図せずままコちゃんの地雷踏んじゃったみたいダネー。」
「それは申し訳ないが先に3度とは一体何事だ。」
「後で聞いてみますか。」
「それはやめとこうな太一。」
「だけど意外だな、あの関西弁にセクハラする奴がいるのか。」
「及川があの電脳娘を見る度にやっているくらいだ、あの格好なら人目を惹いても仕方がない。」
「山形さん聞きましたか。」
「おうよ太一、若利が頑張って褒めてんな。」
「アヒャヒャ、ままコちゃんもミニスカフリフリ着た甲斐あったネー。」
「本人に通じてないのが残念なところかな。さてそろそろ止めないと。」
苦笑する大平はよっこらしょっと呟きわぁわぁやり出した縁下美沙、白布、五色、瀬見の所へ行くのだった。