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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第20章 【初めてのアルバイト】後編


「保護者じゃないっすっ。」
「ほぼ同じデショ、それとも何です旦那様とでも。」
「それもやめてくれ月島。」
「どうせ将来決まってるだろ。」
「成田は何で煽った。」
「もういい加減足掻(あが)くなって。」
「木下お前もか。」
「まあ縁下さんがそれで安心ならいいと思います。」
「うん山口、浮かべてる汗は拭いてから頼むよ。」
「力、億分の一美沙がナンパされてても落ち着けよっ。」
「西谷に落ち着けって言われたかない。」
「おい日向、一応兄貴としてあれはどーなんだ。」
「はい一応は余計っ。うーん、俺もし夏が大きくなってもあそこまでしねえかなあ。」
「美沙ちゃんが大学行くとか就職とかしたら縁下どうするんだろ。」
「あわわ清水先輩、私普通に縁下さんがお迎えに行くとこイメージしちゃいました。」

部の連中が言いたい放題言っている中

「縁下、」

耐えかねたのかとうとう澤村が笑顔でしかしこめかみ辺りに汗を浮かべながら言った。

「あんまり甘やかしてると美沙さんの社会勉強にならないぞ。」

力は沈黙した。


それでも結局力は義妹を迎えに行くと断固として譲らなかった。成田や木下にやめろってこの過保護、どっかの漫画の親父さんかよ、妹ストーキングしてどうすんだなどと言われても聞き入れない。片手で両目を覆いため息をつく成田を尻目に美沙は今頃どうしてるかな変なのに絡まれてなけりゃいいけどと考えていた。


残念ながら妙な流れはもう絶賛バイト中の縁下美沙の元へ来ていた。美沙が商品を棚に入れていたら店の扉がガラガラと開けられる。いらっしゃいませーと意識的に元気よく言ったのはいいが振り向いた先にあった顔を見て危うく美沙は叫びそうになった。

「ほらー、やっぱり美沙ちゃんじゃんっ。」

言ってからヤッホーとにっこり笑って手を振るのは青葉城西高校及川徹その人である。

「おおおおお及川さん。」

激しく動揺してチャタリングを起こしたキーボードみたいな言い回しになる美沙、しかし更に追い打ちが来る。
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