第16章 【どうしてこうなった】中編
「ちょっともー縁下君なの勘弁してよね、ミスなんてレベルじゃないじゃんただでさえそっちのスパイカー陣面倒なの多いのにさっ。てか俺の顔がピンチだったし。」
「いや本当にすみません。」
力はやはり目だけ笑っていない笑顔でけどと続ける。
「いつもくだらない事言って岩泉さんのスパイクや鉄拳食らってもご無事ですし、俺のスパイクに当たっても大丈夫かなと。」
笑顔で真っ黒な台詞を吐かれ及川はガーンッとなるが青葉城西側の多くはあーまー確かにと納得した。
「何でだよっ、お前ら何納得してんのっ。」
「言われても仕方ねー事が多々。」
花巻が容赦なくいい、松川がうんうんと頷いている。矢巾は苦笑しているがフォローする気が明らかになく、渡は京谷はまたどうしたんだろうと見ていて京谷はままコこと縁下美沙をチラ見している。金田一は素直にあわわとなっているがとうとう国見がとどめを刺した。
「常日頃セクハラしてちゃ無理もありませんね。」
及川は轟沈しこれ以上自分がダメージを与えなくても良いと判断した力はチームの方へ戻りだした。
一方、烏野側は影山が極端に青ざめてガタガタと震えていた。
「おい影山どうした。」
田中が尋ねる。
「さ、さっき縁下さんにトスお願いされてトス上げたんすけど、縁下さん及川さん目がけて打って外れたのわかった瞬間舌打ちして外したかって言ったんす。」
たちまちのうちに烏野勢は沈黙した。しばらくしてから日向、山口、谷地、東峰がガクガク震えだす。
「ひぃぃぃぃぃぃっ。」
谷地が叫んだ。
「縁下さんがとうとう実力行使にぃっ。」
「ええええ縁下さんが大王様に喧嘩売ったっ。」
「ヤバイマジヤバイ、どうしよツッキー。」
「何で僕に振るのさ。」
「と、ととととととりあえず皆落ち着こう、なっ、なっ。」
「お前が落ち着けっ、旭っ。」
言いつつも澤村だって顔が青いし菅原はわちゃーとこめかみに汗を浮かべているし、西谷は目を丸くしているし清水ですら力を凝視しているしこれはひどい。その間にも成田と木下が力のところにすっ飛んで元々戻ろうとしていた力をぐいぐい引きずる。